エアコンを設置する際は、しっかり位置を確認する必要があります。設置場所を選び間違えると、快適に過ごしにくくなったり、思わぬ危険につながる恐れも。今回は、エアコンの適切な取り付け位置と、よくある設置場所のNG例を解説します。ポイントを押さえて、正しい位置にエアコンを設置しましょう。
エアコンの適切な取り付け位置とは?
エアコンを適切に設置することは、快適に室温を調整するうえで重要なポイントです。取り付け位置を誤ると、能力が十分に発揮できなかったり、故障の原因になったりする可能性があるため要注意。ここからは、基本となる取り付け位置について解説します。
エアコン専用コンセントの近くに取り付ける
エアコンを快適に使うために、壁などに設置されているエアコン専用コンセントの近くに設置しましょう。エアコンは多くの電力を消費するため、延長コードなどに繋ぐと火災の危険性が高まります。
専用コンセントを利用することで、エアコンの性能が最大限に発揮できるうえ、見た目もすっきり設置できますよ。設置したい場所に専用コンセントがない場合は、専門業者に依頼して新しい専用コンセントを設置することも検討してみてください。
配管穴よりも低い位置に設置するのはNG
壁にある配管穴より低い位置にエアコンを設置しないよう注意しましょう。配管穴は、室外機と室内機を結ぶ配管が通る穴です。
配管穴より低い場所にエアコンを設置すると、配管に適度な傾斜がつけられなくなります。配管に傾斜がないとエアコン内に溜まった結露が適切に排水されず、故障や水漏れにつながる恐れがあります。
また、室外機から送られる冷媒ガスが上手く循環されず、エアコンの冷却性能が低下するリスクもあるため注意しましょう。
火災報知器から1.5m以上離れた場所に設置する
消防法では、エアコンの吹き出し口と火災報知器を1.5m以上離すよう決められています(参考:消防庁)。
火災報知器には、煙や熱を感知して大音量の警報を鳴らし、居住者に火災の危険を知らせる役割があります。しかし、エアコンの冷風や温風が直接火災報知器に当たると、火災報知器の感知機能が低下する恐れがあり大変危険です。
1.5mの距離を保っておけば、エアコンの風が火災報知機に直接当たるリスクは少ないでしょう。火災に早く気付いて避難するために重要なポイントなので、見落とさないように注意してください。
エアコンの取り付け位置を決めるポイント
エアコンを設置する前に知っておきたい取り付け位置のポイントを解説します。設置後に後悔しないためにも、事前に確認してみてくださいね。
あらかじめ室外機の位置を決めておく
エアコンを設置する前に、室外機を設置する場所を検討しておきましょう。室外機の排気を妨げると冷暖房効率が下がるため、周囲に物がなく通風性のよい場所を選んでください。
また、これから新築する住宅であれば、室外機がどの位置にくるか把握してエアコンの位置を決めましょう。外壁下の中央や玄関の真横などに来る場合、圧迫感が気になったり、美観を損なったりする心配があります。
子ども部屋など将来的にエアコンを設置予定の部屋に関しても、慎重にエアコンの位置を決めてくださいね。
筋交(耐力壁)部分を把握する
エアコンの設置作業において、「筋交い(すじかい)」と呼ばれる住宅の部材がどの位置にあるか把握することも非常に重要です。筋交いとは、地震の揺れに対して住宅の強度を高める役割を持つ耐力壁のことです。
筋交いには木材や軽量鉄骨といった素材が用いられており、壁の内部に組み込まれています。エアコンの配管工事で壁に穴を開ける際、筋交いに干渉すると住宅の耐震性能が低下する恐れがあります。
事前に筋交いの位置を確認し、それを避けたルートで配管工事を行う必要があるでしょう。筋交いの位置は、専門業者に確認するか、構造図面を参照することで把握できますよ。
どうしても筋交いを避けられない場合は、専門の工務店や建築士に相談し、補強工事を行う方法もあります。
エアコンと室外機を離しすぎない
エアコンの室内機と室外機の距離を離しすぎないことも重要なポイント。室内機と室外機は配管で繋がれており、この配管の長さには一定の制限があります。
配管が長すぎると冷媒の循環不良が起こり、エアコンの性能が低下する可能性が。メーカーや機種により異なりますが、一般的な家庭用エアコンでは、室内機と室外機の最大配管長は13~15m程度が目安です。これ以上長いと、冷媒ガスの追加補充が必要となり費用が高くなってしまいます。
加えて、配管が長すぎると、冷房・暖房能力が低下したり、コンプレッサーに負荷がかかったりといった不具合が生じることもあります。エアコンを最適な状態で運転するために、室内機と室外機の配置場所は計画的に決めましょう。
知っておきたいエアコン位置の失敗例
エアコンの取り付け位置を間違えると、せっかく設置したにもかかわらず、思うような冷房・暖房効果が得られなかったり、場合によっては危険な事態につながる可能性も。ここでは、エアコンの設置位置に関する失敗例をいくつか紹介します。
エアコンの風でカーテンが動く
エアコン取り付け時に見落としがちなのが、カーテンとの位置関係です。エアコンの風が直接カーテンに当たると、カーテンが風でカサカサと動き、窓枠や壁が傷つきやすくなることがあります。
カーテンの揺れる音が騒音となり、睡眠や仕事を妨げるということも考えられるでしょう。また、カーテンが大きく動くと、エアコンの風の流れが妨げられて冷暖房の効率が下がってしまいます。
エアコンの吹き出し口の向きやカーテンの位置を考慮し、直接カーテンに風が当たらない位置にエアコンを取り付けましょう。具体的な対策としては、吹き出し口をカーテンからできるだけ離して設置するか、間接的に風が当たる角度に調整するのがよいでしょう。部屋の構造や家具の配置に合わせて、理想的な位置を見つけてみてくださいね。
クローゼットの扉にぶつかる
エアコンをクローゼットの扉の可動域内に設置すると、扉が本体にぶつかり、扉やエアコン本体が破損するリスクがあります。
クローゼットの扉はスライド式や開き戸式など様々。開き戸式や、折れ曲がるタイプの扉の場合、特に注意して設置位置を検討しましょう。どうしても干渉する場合は、クローゼットの扉の種類を変更するなど対策する必要があります。
エアコンが窓やカーテンレールと干渉する
エアコンのサイズが設置場所に合わないという失敗例も少なくありません。ありがちなケースが、窓の上にエアコンを設置する場合です。窓と天井とのスペースに対してエアコンが大きく、窓枠やカーテンレールにエアコンが干渉してしまうことがあります。
家の設計段階であれば、天井の高さを少し上げたり、窓の位置を下げたりといった対策が必要となります。すでに建築後の住宅なら、エアコンの種類を見直すか、別の取り付け位置を検討しなければなりません。
エアコンの風が体に直接当たる
風が体に直接当たる位置にエアコンを設置し、快適に過ごしにくくなる例もあります。ベッドやソファ、仕事用のデスクなど、長時間過ごす場所に風が直接当たらないように位置を検討しましょう。
エアコンから出る冷たい風や暖かい風が体に直接当たり続けると、冷えや乾燥に悩まされることも。特に温風は乾燥しているので、注意が必要です。
エアコンを設置する位置が限られる場合は、ベッドやソファの位置をずらすのも手です。エアコンの風向きを変える「風よけ」も販売されているので、どうしても風を避けられない場合は活用してみるとよいでしょう。
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