エアコンはつけっぱなしにしたほうが電気代を抑えられると耳にしたことがある方も多いはず。しかし、状況によっては、こまめに消すほうが電気代を軽減できる場合もあります。今回は、エアコンをつけっぱなしにした場合の電気代や、外気温や外出時間によってつけっぱなしにするか決める方法、つけっぱなしにするメリットやデメリットなどを解説します。
つけっぱなしで運転する場合の1日あたりの電気代をチェック
エアコンの1時間あたりの電気代は、消費電力(W)÷1,000×31円(※)という計算式で求められます。
日立の6畳用ルームエアコン(RAS-X22M)を例に挙げると、冷房時は「115〜900W」、暖房時は「110〜1490W」の消費電力がかかります。
1時間あたりの電気代を単純計算すると、以下のようになります。
【冷房】
最小消費電力:115W ÷ 1,000 × 31円 = 約3.5円
最大消費電力:900W ÷ 1,000 × 31円 = 約28円
【暖房】
最小消費電力:110W ÷ 1,000 × 31円 = 約3.4円
最大消費電力:1490W ÷ 1,000 × 31円 = 約46円
続いて、9時〜23時までの14時間、エアコンをつけっぱなしにした場合の電気代の目安を算出します。エアコンは起動時に最もパワーを必要とするため、運転後1時間は最大消費電力、残りの13時間は最小消費電力で運転されると仮定すると、実際の状況に近いと考えられるでしょう。
上記の計算方法をもとにすると、以下のように1日の電気代が求められます。
【冷房】
(1時間×28円)+(13時間×3.5円)=約74円
【暖房】
(1時間×46円)+(13時間×3.4円)=約90円
1か月の電気料金に換算すると、冷房の場合は約2,220円、暖房の場合は約2,700円の電気代がかかると考えられます。外気温やエアコンの種類によっても電気代は変わってくるので、目安として知っておくとよいでしょう。
※公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が発表する電力単価目安(2022年7月改定)
つけっぱなしorこまめに消す?気温や外出時間で決めよう
エアコンをつけっぱなしにするか外出の度に消すか悩んだ場合は、気温や時間帯、外出時間を考慮して決めましょう。
エアコンメーカーのダイキンでは、冷房をつけっぱなしにする場合と、こまめに消す場合の消費電力を比較する実験を行っています。検証によると、外気温が高くなる9時〜18時は、つけっぱなしにするほうが消費電力を抑えられるのだそう。理由としては、外気温が高いほどエアコンの起動時にパワーを必要とするためと考えられています。
一方、外気温が下がってくる18時〜23時は、こまめに消すほうが消費電力を抑えられます。外気温が低いほど起動時の消費電力が小さくなるため、こまめに消すほうが消費電力を抑えられるようです。
また、ダイキンでは、冷房・暖房ともに、30分程度の外出であれば、つけっぱなしのほうが電気代を抑えられるという検証結果を出しています。つまり、30分以上の外出をする予定なら、エアコンを消して家を出るほうが電気代の節約になるといえるでしょう。
つけっぱなしのメリットは?
外出時間や外気温によっては、こまめに消したほうが電気代を抑えられることがわかりました。しかし、電気代が少し上がっても、快適に過ごせるほうを選びたいという人もいるはずです。そこで、エアコンをつけっぱなしにするメリットを解説します。
暑さや寒さを感じずに過ごせる
エアコンをつけっぱなしにするメリットのひとつは、暑さや寒さによる不快感を軽減できることです。猛暑日や真冬などは、エアコンをつけても室内温度が適温になるまでに時間がかかることも。つけっぱなしにしておけば、帰宅してすぐに快適な室内で過ごせます。
帰宅時だけでなく、睡眠時の快適さも得られるでしょう。暑さや寒さで夜中に目覚めるということも少なくなり、心地よく眠れるはずです。起床時も「寒くて布団から出られない」ということがなく、気持ちよい朝を迎えられます。
こまめなオン・オフの手間がない
つけっぱなしにしておけば、エアコンを頻繁にオン・オフしなくてよいのも魅力的です。こまめに消す場合は、エアコンの消し忘れでストレスを感じることもあるでしょう。家族間で体感温度が異なり、つける・つけないで揉めることもあるかもしれません。
最初からつけっぱなしにすると決めておけば、エアコンのオン・オフで悩むことが少ないうえ、バタバタする外出前にリモコンを操作する手間も省けます。
つけっぱなしにするデメリットは?
つけっぱなしにしておくと快適に過ごせるメリットがある反面、空気の乾燥や機器への負担といったデメリットもあります。デメリットも把握したうえで、つけっぱなしにするか、こまめに消すかを決めましょう。
部屋の空気が乾燥しやすくなる
冷房や暖房を常につけていると、室内が乾燥しやすくなるデメリットがあります。冷房は室内の水分を屋外に放出するときの気化熱によって、部屋の中を冷却しています。そのため、運転中は湿度が下がり、乾燥につながるのです。
また、空気中に含まれる水分量は、部屋の温度が上がるほど多くなるといわれています。しかし、暖房によって部屋の温度を上げても空気中の水分量は変わらないため、結果的に湿度は低下してしまいます。
室内の乾燥は肌や喉の乾燥も招くため、長時間エアコンをつけっぱなしにする場合は加湿器を上手に取り入れましょう。濡らしたタオルを干しておくだけでも、加湿になりますよ。睡眠時の喉の乾燥が気になる場合は、マスクを着用するのも手です。
つけっぱなしで、エアコンに負担がかかる可能性も
エアコンをはじめ、電化製品は使用頻度が高いほど機器に負担がかかりがちです。1日中つけっぱなしにする場合、こまめに消す場合に比べてエアコンの寿命が短くなる可能性もあります。
また、長くつけっぱなしにすることで、フィルターや内部にホコリもたまりやすくなります。エアコン内部に常に水分があることで、カビが発生しやすくなるリスクもあるでしょう。
エアコンを長く使うためには、2か月に1回程度はフィルター掃除を行うのがベターです。年に1回程度は、プロの業者にエアコンクリーニングを依頼し、メンテナンスしましょう。
つけっぱなしでも節電する方法は?
エアコンをつけっぱなしでも、消費電力を抑える方法はあります。つけっぱなしにする場合は、電気代を最小限に抑えるために節電方法を知っておきましょう。
自動運転に設定する
エアコンの消費電力を抑えたいなら、自動運転に設定しましょう。自動運転とは、室内の温度に合わせて自動でパワーの調整ができる機能です。設定温度に達するまでは強風で温度を調整し、適温になるとパワーを弱められます。
弱風運転に設定すると部屋が適温になるまでに時間がかかり、結果的に多くの電力を必要とします。長時間の運転では自動運転を基本にし、余分な電力の消費を抑えましょう。
窓の断熱対策を行う
電力消費を賢く抑えたいなら、室内の断熱対策を検討しましょう。暖房時、室内の熱の半分以上は、窓から外へ出ていってしまうといわれています。また冷房時に外の熱気が窓から入ってくると、エアコン効率の低下につながります。
手軽に節電したい場合は、窓用の断熱シートを活用しましょう。断熱シートとは、窓ガラスに貼るだけで熱の出入りを軽減できるアイテムです。夏や冬を迎える前にシートを貼っておけば、エアコンの冷風や熱風が屋外に逃げにくいうえ、室内温度が外気温の影響を受けにくくなるでしょう。
購入から10年以上経ったエアコンは、買い替えも視野に入れよう
エアコンの省エネ性能は時代とともに進化しているため、最新モデルに買い替えると電気代を抑えられる可能性があります。一例として、2012年製のエアコンと2022年製のエアコンを比較した場合、2022年製のエアコンは電気代が年間で約1700円ほど安いといわれています。
1年の使用なら大差はないと感じるかもしれませんが、3年間使うと約5,000円、5年間使い続けると約8,500円もの差が生まれます。古いエアコンの電気代に悩んでいる方は、買い替えも検討してみてください。
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